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| 一般に保安官と呼ばれているのは連邦保安官、郡保安官、警察署長までです。映画の中では、連邦保安官はＵＳマーシャル、郡保安官はシェリフ、警察署長はマーシャル（正式にはタウン・マーシャル）と呼ばれることが多いようです。 |
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| Ⅰ．連邦保安官：U.S.Marshal，Federal Marshal |
| まずＵＳマーシャルですが、大統領によって任命され、連邦裁判所に所属し、連邦判事の裁判管轄区に１名配置されました。連邦裁判や巡回裁判の開廷や閉廷を宣したり、裁判所の命令を執行したり、税金の徴収や、郵便物輸送等の管理も仕事の中に含まれています。治安維持に関しては、連邦法に定められた犯罪に限られていて、地方自治体の一般犯罪には関与しません。アメリカ全国にわたって法的権限を持ち、州をまたがって犯罪を働く無法者を追ったり、逮捕したりします。全国的に権限を持っているといっても、あくまでも自分の管轄内で発生した事件だけですよ。例えば、休暇かなんかで、他の管轄内にやってきて、そこで犯罪事件に遭遇しても、その事件の捜査権限はありません。 |
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| 連邦保安官：U.S.Marshal |
連邦保安官補：Deputy U.S.Marshal |
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| ★連邦保安官のバッジ |
★連邦保安官補のバッジ |
| 実在： |
実在：バージル・アープ、T・トムスン |
| 映画： |
映画：ルースター・コグバーン「勇気ある追跡」1969年 |
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| Ⅱ．郡保安官：County Sheriff |
| 次にシェリフですが、アメリカの各州は幾つかのカウンティ（郡）に分れていますが、郡民の選挙によって１名選ばれ、州知事の承認を得て就任し、ＵＳマーシャルと同様の職務を行ないます。ただ法的権限が及ぶのはその郡内に限定されます。税金の取立てから、裁判所が決定した差押さえや競売の手続き、死刑の執行もシェリフの仕事です。シェリフは町の治安維持には直接責任を持っておらず、酒場で無法者が暴れていても、それが犯罪者でない限り、取り押さえる責任はありません。町の治安維持をするのは、マーシャルの仕事だからです。 |
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| 郡保安官：County Sheriff |
郡保安官補：Deputy County Sheriff |
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| ★ネバダ州エスメラルダ郡保安官のバッジ |
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| 実在：バット・マスターソン（Kas.フォード郡） |
実在：ワイアット・アープ（Arz.ピマ郡 1880-） |
| ：ジョン・ベーハン（Arz.コーチーズ郡） |
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| Ⅲ．保安官（警察署長）：Town Marshal，City Marshal |
| マーシャルは市長（町長）が自由に任命することができました。逆にクビにすることも、任期のあるＵＳマーシャルやシェリフと違って、自由にできました。マーシャルの選挙は、２名以上の志願者があった時、市長の一存で決定できないので、市議会の投票や住民投票が行われたそうです。職務は町の治安維持で、デンバーなどの大都市では、マーシャルでなくポリスマンと呼ばれていました。つまり警官ですね。 |
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| 保安官：Town Marshal |
保安官補：Deputy Town Marshal |
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| ★オーランド市保安官のバッジ |
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| 実在：エド・マスターソン（Kas.ダッジ・シティ） |
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| ：バージル・アープ（トゥームストーン
1881-） |
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| 映画： |
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| Ⅳ．保安官と保安官助手について：Marshal and Deputy |
保安官は、必要に応じて何人でも助手を雇うことができます。その助手をデュピティと云います。保安官助手とか、保安官補佐、副保安官などと云っていますね。これには、職業として給料を受ける正規のものと、一時的なものとの二つがあります。正規のデュピティとして採用する場合は、ＵＳマーシャルは大統領に、シェリフは州知事に、マーシャルは市長に許可を得ていたようです。
一時的なデュピティは、犯人を追跡するときとか、ある事態に備えて町を防衛するときなどに、一般市民を宣誓させて任命するもので、映画では頻繁に出てきます。
正規のデュピティは、保安官の代行業務をするので、正保安官とよく誤解されることがあります。デュピティ・シェリフは、郡内の各地に駐在しているので、その町のマーシャルを兼ねることがあり、混同されるんですね。それと、ダッジ・シティのような治安が悪くて大きな町では、マーシャルの正規デュピティが大勢いて無法者逮捕にあたっていました。ワイアット・アープはダッジ・シティの保安官として有名ですが、デュピティだったのです。
映画の中の保安官を例にあげますと、『ガンヒルの決闘』のカーク・ダグラスがＵＳマーシャルですね。ガンヒルの町まで犯人を追って行くでしょう。
『リオ・ブラボー』のジョン・ウェインはシェリフです。あの町にはマーシャルがいないので、マーシャルも兼ねています。ディーン・マーチンとウォルター・ブレナンは正規のデュピティ・シェリフで、リッキー・ネルソンが一時的なデュピティ・シェリフ。
『真昼の決闘』のゲーリー・クーパーはマーシャル。正規のデュピティがロイド・ブリッジス。一時的なデュピティを集めようとしますが、誰も協力しませんでしたね。
『ワーロック』のヘンリー・フオンダはマーシャルで、リチャード・ウィドマークがデュピティ・シェリフでした。
正保安官か、デュピティかは、バッヂを見ればわかります。映画の中で保安官バッヂに注目して観てください。 |
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