右よりＲ・スコット、Ｂ・クロフォード |
アメリカ開拓史には'４０年作『地獄への逆襲』のフランク・ジェイムスや'４９年作『オクラホマ無宿』のドーリン兄弟など悪名を轟かせたアウトローは数多くいるが、この『殴り込み一家』の主人公も有名なアウトロー、ダルトン兄弟だ。１８６７年生まれの長兄ロバート・ダルトンを筆頭に男７人女１人の８人兄妹だったというが、実際に＜ダルトン・ギャング＞として名を売ったのはロバート、グラット、エメット、ビル、フランクの５人といわれているそうだ。この映画では更に１人減って４人、ボブ、グラット、エメット、そしてベンとなっている。その中の１人エメットは原作者だ。
内容はざっとこんな感じだ。 不法な土地売買に巻き込まれたダルトン家のグラットが測量技師を誤って死なせてしまうと、保安官だったボブがグラットを捕まえようとするが、裁判の無法なやり方に怒りバッジを叩きつける（左写真）。グラットと共に山中に逃れると、新聞は彼らが強盗を働いているという根拠のない報道をする。ダルトン兄弟は怒り、それなら強盗をしてやろうと七州を荒しまわる。町の悪徳有力者キャレブがダルトン兄弟を追い詰めるが、最後はボブが射殺して終る。これはどうやらほとんど事実のようだ。しかし、ラストだけは違う。原作者のエメット・ダルトンは映画では射殺されている。実録では原作者であるのだから助かっているわけだが、それ以外の兄弟は皆死んでいる。
殆ど知名度の低い役者で配役されているが、ダルトン兄弟の親友で法律事務所をしているトッドはランドルフ・スコットが演じている。しかし残念ながら、この映画でのスコットは話のツマ的存在でしかない。 |
